学童期のおねしょのことを「夜尿症」と呼んでいます。夜寝ている時の排尿のコントロールができていないため、起こります。 夜尿症(おねしょ)で悩んでいる子どもは、実際には小学生で10人に1人はいると言われています。
夜尿症(おねしょ)は子どものメンタルな部分と関係するため、自信を失い、落ち込み深い悩みを抱える子どもも少なくありません。 大人目線で叱ったり注意するのではなく、子どもの気持ちに寄り添いながら観察し、治療を進めていくことが大切になります。
脳下垂体からの尿を濃くする抗利尿ホルモンの分泌が不十分なため、昼間と同様に薄い尿が大量に作られ、膀胱の容量を超えて尿がつくられて夜尿を起してしまったり、塩分や水分の摂取量が多いため夜尿を起してしまうタイプ。
膀胱の大きさが同年齢の子に比べて小さく、膀胱に尿を溜めておく力が通常よりも弱いために、膀胱に尿が十分量溜まる前に早期に収縮してしまい、起きているときはがまんできても、睡眠時に尿が膀胱からあふれ出てしまうタイプ。
混合型というのは、夜間の尿量が多く、しかも膀胱が小さい多尿型と膀胱型の両方の特徴をあわせ持つタイプで治療に時間がかかることが多いです。
まずは生活療法により、塩分や飲水の量をコントロールしたり、膀胱容量を大きくするため尿を我慢させる訓練などを行います。それで改善がみられない場合は、薬物による治療を併せていきます。
夜尿症(おねしょ)は、身体の発達段階における未熟性によるもののため、思春期が近づくとともに、神経・内分泌系が発達することで、自然に治癒していくものが多いですが、泌尿器疾患が夜尿症と関連していることもありますので小学生に入っても1週間に数回夜尿症(おねしょ)をするときはご相談いただくことをお勧めします。